子宮頸がん予防ワクチンQ&A

9.
ほとんどの予防接種は皮下注射ですが、子宮頸がん予防ワクチンもいずれ筋肉注射から皮下注射になるのでしょうか。
国際的に見て、予防接種は筋肉注射が一般的で、皮下注射を行っているのは日本のみ(特異)と聞いたことはありますが、皮下注射に慣れている日本人にとって、筋肉注射の痛みは独特の痛みが残るらしく、受診者のフォローが大変なので、できれば皮下注射でも十分に効果の得られるワクチンが開発されることを希望します。

 子宮頸がん予防ワクチンは免疫原性を高めるため、アジュバントが含まれています。
 アジュバントを含むワクチンは基本的に筋肉注射が適しています。米国小児科学会の最新感染症ガイド(Red Boook)(1)には、以下の記載があります。
「アジュバントを含むワクチンは筋肉内に深く接種しなければならない。これらワクチンは局所の刺激、炎症、肉芽腫形成、組織の壊死を引き起こすことがあるため、皮下あるいは皮内に接種してはならない。」
 (1)岡部信彦 監修 米国小児科学会 最新感染症ガイド 日本語版Red Book:p20, 2007
 
 公益社団法人日本小児科学会の要望書にも、アジュバントを含むワクチンは局所反応を減らすために筋肉内に注射されると記載があります。
 「不活化ワクチンの筋肉内注射の添付文書への記載の変更について」
  URL;http://www.jpeds.or.jp/saisin/saisin_1106273.pdf

 なお、皮下・筋肉注射と刺入深度が増すにつれて注入による痛みを感じにくくなると記載した文献もあります。
 田原卓浩 小児内科 39(10):1511, 2007

 将来の貼るワクチンや点鼻ワクチン、飲むワクチンに向けての研究開発も進められています。

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